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3-13.運営指導の通知がキター(゚∀゚)!「これだけは要チェック」1.基本編

介護事業所へ運営指導の通知が来たら要チェック✅
最近の運営指導は、実施件数が増えて、確認内容は効率化へ

【介護事業所のための運営指導解説コラム1.基本編】

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近年では新型コロナなどの感染症や自然災害を踏まえて、介護事業所への運営指導(実地指導)の実施件数が増えてきている一方で、運営指導の確認内容は短時間・効率化へ転換する動きとなっています。
介護事業所への運営指導は、適切な介護保険制度の運用を図る観点から重要であり、介護保険施設等に対する支援を基本としていますが、近年では特に、その標準化や効率的な実施が求められています。
厚生労働省の資料にも、運営指導の標準化・効率化を図り、適切な指導を行うための参考となるよう、「介護保険施設等運営指導マニュアル」が作成されて、具体的な指導の実施方法等が解説されています。
このコラムでは介護事業所への運営指導について、厚生労働省が示す運営指導マニュアルを元に、最新版にアップデートするポイントや確認点を解説していきましょう。(シリーズコラムとして更新していきます)

介護事業所への運営指導の通知が来たら要チェック1.基本編
まずは運営指導に関する基本編として、基本的な考え方や方針が示されていますので、その要点をピックアップします。

最新版の運営指導マニュアルより1.基本編
・介護保険制度における指導監督
・指導による介護保険施設等の支援・育成
・運営指導の実施後の措置
・運営指導から監査への変更


介護保険制度における指導監督

介護保険制度は、介護サービスを適正に運営するために「指導」と「監査」という2つの仕組みを持っています。
介護保険制度における介護保険施設・事業者に対する指導監督 指導から監査の出典:厚生労働省ホームページより引用・掲載

  • 指導とは、行政が介護事業所を支援・育成するために行う行政指導のことです。法的な強制力はなく、あくまで事業所の協力を前提としています。
  • 監査は、法令違反や不正請求の疑いがある場合に実施され、立入検査や行政処分(勧告・指定取消)につながることもあります。

介護事業所にとって「指導=罰則」ではなく、制度理解を深める機会と捉えることが大切です。


指導による介護保険施設等の支援・育成

指導には大きく分けて 「集団指導」「運営指導(実地指導)」 があります。
指導による介護保険施設等の支援・育成 集団指導と運営指導(実地指導)出典:厚生労働省ホームページより引用・掲載

  • 集団指導
    年1回以上実施され、制度改正や報酬請求のルール、高齢者虐待防止など最新情報がまとめて説明されます。介護事業所にとっては制度やルールなどの情報をインプットする機会です。
  • 運営指導(実地指導)
    原則的に自治体職員や受託者が介護事業所に訪問して、サービス提供や報酬請求、運営体制などを確認します。これが法令やルールなどを法令順守できているか、運営状況の確認を通じ、アウトプットとして点検する機会です。
    → 自己点検シートを活用して事前準備を行うことが推奨されています。

参考:東京都の居宅サービス事業所等自己点検票_訪問介護
東京都の居宅サービス事業所等自己点検票_訪問介護出典:東京都福祉局ホームページより引用・掲載
行政は、単に誤りを指摘するのではなく、介護事業所が自ら法令遵守を徹底できるよう「育成」する役割も担っています。


運営指導の実施後の措置

運営指導の実施後には、必要に応じて、次のような対応が行われます。
指導から改善の流れ

  1. 改善指導
    法令解釈の誤りや事務手続きの不足があれば、根拠を示した改善指導が行われます。強制ではなく、自主的な改善を促すものです。
    指導から監査の
  2. 介護報酬に関する指導
  • 誤り(誤認):算定ルールの理解不足など。→ 自己点検を行い「過誤調整」で修正する。
  • 不正請求:架空請求や人員不足の隠ぺいなど。→ 監査に移行し、返還や行政処分の対象になります。

運営指導後に「改善が見込めない」と判断された場合には、「監査」へ移行します。


運営指導から監査への変更

運営指導は、あくまで介護事業所への支援を目的とした確認ですが、以下の場合には監査に切り替わります。

  • 高齢者虐待など 緊急に利用者保護が必要なケース
  • 不正請求や重大な法令違反が疑われるケース

監査は立入検査を伴い、結果によっては返還命令・勧告・指定取消などの行政処分に至ります。
介護サービスを運営する事業所としては、日頃から自己点検と業務管理体制を整備して、指導を受けた際には、改善へ繋げていくことが重要です。

運営指導1.基本編のまとめ

運営指導は「取り締まり」ではなく、介護事業所を支援して、利用者により良い介護サービスを提供するための仕組みです。

  • 集団指導=制度やルール、最新情報の説明をインプットして理解
  • 運営指導=法令順守の確認を通じて、運営状況のアウトプットを確認
  • 指導後=改善と是正へ
  • 不正や違反があれば監査に移行へ

運営指導を受ける介護事業所にとっては、制度やルールなどの理解を深めて、適切な介護サービスの事業運営を続けるための機会とも言えますので、あらためてチェックしておきましょう。
》》》次のコラム 運営指導の通知がキター(゚∀゚)!「これだけは要チェック✅」2.実践編


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