2025年「運営規程や重要事項の解説」AIを活用した法務チェック 前篇
むずかしい運営規程の法務は、かんたんにAIでチェック 前篇
はじめに
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令和6年度の介護報酬改定により、介護事業所の運営規程や重要事項などの情報は、インターネット上での「電子掲示」が義務化されましたが、サービス種別ごとの運営基準についても、細かな改定がされました。そのため介護事業所を運営する法人では、引き続き、これらの状況に合わせて、運営規程や重要事項の法務チェックや書面作成をしていく必要があります。
忙しい介護現場の業務を管理しながら、難しい法務チェックや書面作成まで対応するのは、大きな負担になっている意見も聞きますが、最近ではAIによって書面や文言をチェックする機能も発達しているので、AIを活用するのも、かんたんに業務を進める方法の1つです。
本コラムでは介護事業所さんの目線で、むずかしい運営規程や重要事項の法務を、かんたんにAIでチェック・レビューしていく方法を見ていきましょう。【前篇と後篇の2つに分かれます】
事前の留意点
・運営規程や重要事項等の法務については、サービス提供する事業環境に合わせて、各事業所が責任を持って作成してください。(当サイト上にも、利用規約として免責事項や禁止事項等を定めています)
◆このコラムでは、AIを活用した法務チェックやケース事例を解説 前篇
・法務チェックや書面作成に強いAIは
・介護事業所の運営規程や重要事項向けの法務チェックは
・東京都のひな形(記入例)を使った、法務チェックの事例は
-指針となる厚生労働省の省令や基準:訪問介護
-東京都の運営規程のひな形(記入例):訪問介護
・ChatGPTが回答した、法務チェックやレビューの結果は
・AIを活用すれば、便利になるケース事例やサービス種別は
・AIを活用した法務チェックは、あくまで参考程度
【最終的には介護事業所で責任を持って】
◆法務チェックや書面作成に強いAIツールは
まず今回は、介護事業所の運営規定や重要事項の情報を扱うため、これら業務の法務チェックや書面作成に適したAIツールを選択することが、前提となります。
最近では多くのAIツールが世の中にリリースされて、テキスト生成や画像生成など、その機能や分野によっても、AIツールの強い部分/弱い部分が分かれてきますが、法務チェックや書面作成といった、リーガルチェックとテキスト生成を目的とした場合であれば、ChatGPTが候補に挙がります。
》》》ChatGPTの特徴や使い方については、AIツール提供元のOpenAI社の情報を参照してください。
参考情報 OpenAI「ChatGPT」
介護事業所の運営規程や重要事項向けの法務チェックは
そして使用するAIツールが決まれば、介護事業所の運営規程や重要事項向けに、法務チェックや書面作成を命令するプロンプト(依頼する指示や命令文)が必要になります。
ChatGPTのプロンプト文例
ChatGPTのプロンプトでは、業務を依頼するにあたって、役割や命題(ゴール)を明確にして、その対象となる要件やタスクなどを、具体的に展開していきましょう。
OpenAI社の発表資料にも、依頼する指示や命令文となるプロンプトを書く際のコツが記載されています。
OpenAI社が発表するプロンプトのコツ
1. 明確な指示を書く
2. AIに役割を与える
3. 参考テキストを使用する
4. タスクを分割する
5. ChatGPTに考える時間を与える
6. 外部ツールを活用する
》》》ChatGPTのプロンプト(指示や命令文)については、ツール提供元のOpenAI社の発表資料などの情報を参照してください。
参考情報 OpenAI社の参考記事:Prompt engineering
東京都のひな形(記入例)を使った、法務チェックの事例は
今回コラムでは、AIを活用した法務チェック向けに、訪問介護の運営規定や重要事項をケース事例に、次のように指針となる規程とひな形(記入例)をピックアップします。
指針となる厚生労働省の省令や基準:訪問介護
介護事業所の運営規程等の情報については、厚生労働省が定めるサービス種別ごとの運営基準がベースとなり、社会情勢や事業環境を踏まえて、その内容が改定されています。
介護サービスの代表例として訪問介護を例に挙げると、令和6年度の改定を受けて、細かな変更や追加がされています。(重要事項のウェブサイト掲載も追加)
参考情報
厚生労働省「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」
東京都の運営規程のひな形(記入例):訪問介護
東京都の運営規程などの情報は、標準的なひな型や書式で示していることが多く、東京都のひな型が、全国的な記入例になっているケースもあります。
そして東京都福祉局のホームページでは、事業所向けの介護サービス情報を案内しており、このページ上に運営基準や運営規程の記入例が掲載されています。
参考情報
東京都福祉局「東京都介護サービス情報」
ChatGPTによる、法務チェックやレビューは
では実際に、東京都のひな形(記入例)を使って、ChatGPTによる法務チェック・レビューのケース事例を試してみましょう。
ChatGPTによる法務チェック・レビュー
・指針となる厚生労働省の省令や基準:訪問介護
・東京都の運営規程のひな形(記入例):訪問介護
参考情報
厚生労働省「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」
東京都福祉局「東京都介護サービス情報」
ChatGPTが回答した、法務チェックやレビューの結果は
詳しい内容は、次のコラム(後篇)へ続く
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追記の留意点
・運営規程や重要事項等の法務については、サービス提供する事業環境に合わせて、各自の介護事業所が責任を持って作成してください。(当サイト上にも、利用規約として免責事項や禁止事項等を定めています)
なお、これらの情報を更新する場合は、運営規程や重要事項を掲示する書面を再作成して、事業所内での「書面掲示」とインターネットでの「電子掲示」をする必要があります。(同様にサービス契約書も再作成して、利用者・家族、関係する専門職にも案内や説明も必要です)
◆重要事項のお試しサポート
新宿の介護事業所向けには、重要事項のお試しサポートとして、30分で法務チェックして、変更点や参考事例をアドバイスするキャンペーンを行っています。
(新宿区の事業所向けに、7月末まで8~9事業所ほどを想定)
◆介護事業所の運営規程や重要事項の解説 シリーズコラム
2025年度版「運営規程や重要事項の解説コラム」イントロダクション
2025年度版「運営規程・重要事項チェック」フローチャート解説
2025年度版「書面掲示は簡単に(神ワザ)」スッキリ整理の実践
2025年度版「電子掲示は完結に(複合ワザ)」デジタル活用術の手引き 前篇
2025年度版「電子掲示は完結に(複合ワザ)」デジタル活用術の手引き 後篇
2025年度版「運営規程や重要事項のひな型検証」東京都 vs 大阪府
2025年度版「運営規程や重要事項のひな型検証」地域密着型サービス
2025年度版「運営規程や重要事項の解説」AIを活用した法務チェック 前篇
2025年度版「運営規程や重要事項の解説」AIを活用した法務チェック 後篇
◆コラム記事の担当者
・高瀬 誠(コンサルタント、ソーシャルワーカー)
:公表システムサポート運営事務局
参考情報(出典)
介護事業所の運営規程や重要事項等の情報については、厚生労働省や管轄行政の発表資料をご覧ください。
・厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」
・厚生労働省「令和3年度介護報酬改定における改定事項について」
・厚生労働省「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」
・厚生労働省「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」
・厚生労働省「指定介護老人保健施設の人員、設備及び運営に関する基準」
・厚生労働省「指定介護医療院の人員、設備及び運営に関する基準」
・厚生労働省「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準」
・東京都福祉局「東京都介護サービス情報」