なぜ経営情報を用意するのか

経営情報報告では、事業所の基本情報だけでなく、会計・人事労務情報など多岐にわたるデータを提出する必要があります。
各項目は制度上の報告要件に基づき定められており、正確で最新のデータの準備 が求められます。

経営情報の分類と内容

経営情報を整理する際は、次の４つの分類に分けて準備することが基本です。
事前に一覧で把握し、整理しておくと作業がスムーズになります。

① 基本情報

事業所・法人に関する基礎的な情報を整えます。

• 事業所名称・所在地

• 法人番号・介護事業所番号

• 会計年度末日・会計基準

• 提供サービスの種類 等

② 収益および費用（会計情報）

財務状況を具体的に表す項目です。

• 介護事業収益（施設・居宅等別）

• 給与費・業務委託費・減価償却費等

• 事業外収益（受取利息・補助金等）

• 法人税・事業税 等

※ 会計ソフトや会計事務所から出力したデータを活用するのがおすすめです。

③ 人員に関する情報（人事・労務）

事業所の職員体制を正確に示す情報を準備します。

• 職種別人数（管理者・看護・介護・事務等）

• 各職種ごとの給与・賞与データ 等

※ 雇用形態（常勤／非常勤）別集計も必要になります。

④ その他必要な事項

介護サービス事業以外の事業収益・利用者数等、複合的な事業形態に関する情報です。

• 介護以外の事業収益（医療・障害福祉等）

• 利用者数・延べ在院者数 等

※ 該当する場合のみ入力します。

経営情報の報告方法

準備したデータを報告する際の方法は主に2つあります。

◆ ファイル登録版

会計ソフトから出力したデータファイルをシステムへアップロードする方法です。
大量データの取り込みや修正がしやすく、入力ミスのリスクも低いので おすすめの方法 と言えます。

◆ 画面入力版

画面上で項目を一つひとつ入力する方法です。少量の修正や少数項目の入力に向いています。

経営情報の管理・整理のコツ

多岐にわたる項目を効率的に用意するには、管理表（例：エクセル）で一元化しておくことが大切です。

✔ 法人・事業所ごとに情報を整理
✔ 会計・人事・基本項目ごとにタブ分け
✔ 次年度以降も再利用できるテンプレを用意

こうした管理体制を整えることで、初年度の報告だけでなく、次年度以降の更新作業も効率化できます。
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まとめ｜実務での準備順とチェックポイント

1. 事前整理表を作成する

2. 基本情報・会計・人事のデータを収集・整理する

3. Excel等で項目別に管理・チェックする

4. ファイル版／画面版のどちらで報告するか決める

5. 報告期限に向けて余裕を持って準備を進める

経営情報の用意は手間がかかる作業ですが、情報を正確に揃えることは 経営管理の見える化と内部統制の強化にも役立ちます。
次回はエクセルで管理した情報を、さらにデータ・ファイル形式を変換して、ファイル登録版へ連動していく見本例を紹介します。
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