生産性向上の体制加算の実績報告について、分かりやすく解説(前篇)
実績報告は3月末までなので、各種の調査・評価を準備へ
介護の生産性向上推進体制加算とは?
介護業界では、慢性的な人材不足や職員の業務負担の増加が大きな課題となっています。
その解決策として、国は介護現場の業務改善やテクノロジー活用を推進するため、生産性向上推進体制加算を創設しました。
この加算は、ICTや介護ロボットの導入、業務の見直しなどを通じて、介護サービスの質を維持しながら職員の負担を軽減する取り組みを評価する制度です。
本コラムでは、生産性向上推進体制加算の目的、加算(Ⅰ)(Ⅱ)の違い、委員会設置、実績報告、電子申請までを介護事業所の視点でわかりやすく解説します。(前篇/後篇で展開します)
生産性向上の主旨・目的
介護分野の生産性向上とは、サービスの質を維持・向上させながら、職員の負担軽減を実現する取り組みを指します。業務改善やICTの活用により、効率的な介護サービスの提供を目指します。
出典:厚生労働省ホームページより引用・編集
介護分野の生産性向上とは、単に業務を減らすことではありません。
厚生労働省では、生産性向上を次のように説明しています。
”介護サービスの質を維持・向上させながら、職員の負担軽減を図る取り組み”
つまり、生産性向上は次の3つを同時に実現することを目指しています。
- 介護サービスの質の向上
- 職員の業務負担の軽減
- 働きやすい職場環境の整備
こうした取り組みを支援するために創設されたのが、生産性向上推進体制加算です。
制度の詳細は、厚生労働省が公開する資料でも説明されています。
生産性向上推進体制加算(Ⅰ)と(Ⅱ)
生産性向上推進体制加算には「加算(Ⅰ)」と「加算(Ⅱ)」の2種類があります。
- 加算(Ⅰ):取り組みの成果が確認された段階
- 加算(Ⅱ):生産性向上の取り組みを開始する段階
出典:厚生労働省ホームページより引用・編集
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 加算(Ⅱ) | 生産性向上の取り組みを開始する段階 |
| 加算(Ⅰ) | 取り組みの成果が確認された段階 |
加算(Ⅱ)
生産性向上の取り組みを開始する事業所が対象です。
主な取り組み
- 業務改善の検討
- ICT導入の検討
- 委員会の設置
- 調査の実施
加算(Ⅰ)
加算(Ⅱ)を算定した事業所が、取り組みの成果を確認できた場合に算定できます。
評価されるポイント
- 職員の業務負担軽減
- 業務効率化
- 利用者満足度の改善
生産性向上の委員会
加算を算定するためには、事業所内で生産性向上の取り組みを検討する委員会を設置する必要があります。
出典:厚生労働省ホームページより引用・編集
生産性向上推進体制加算を算定するには、事業所内に委員会を設置する必要があります。
委員会では次のような内容を検討します。
- 業務改善の課題整理
- ICT導入の検討
- 業務フローの見直し
- 職員の意見収集
委員会は、多職種で構成することが望ましいとされています。多職種で課題を共有することで、現場に合った改善策を検討できます。
例 管理者
├ 介護職員
├ 看護職員
├ 事務職員
└ ICT担当(システム担当)
テクノロジーの導入
生産性向上の取り組みでは、ICTや介護ロボットの活用が重要です。
- 見守りセンサー
- 介護記録ソフト
- インカム等
出典:厚生労働省ホームページより引用・編集
生産性向上の取り組みでは、ICTや介護ロボットの活用が重要なポイントです。
代表的な導入例
見守りセンサー
利用者の離床や動きを検知し、事故防止に役立ちます。
介護記録システム
タブレット入力により、記録業務の時間を削減できます。
インカム等
職員同士の連絡を効率化し、移動時間を減らすことができます。
テクノロジーを活用することで、次のような効果が期待できます。
- 職員の身体的負担の軽減
- 業務時間の短縮
- 事故やトラブル防止
業務内容の明確化や見直し
職員の業務分担の明確化や、職員間の役割分担より、業務の無駄や改善点を把握します。
出典:厚生労働省ホームページより引用・編集
生産性向上では、業務の可視化も重要です。
その代表的な方法がタイムスタディ(業務時間調査)です。
タイムスタディとは、職員がどの業務にどれくらい時間を使っているかを調査する方法です。
例 業務時間調査
| 業務 | 時間 |
|---|---|
| 入浴介助 | 40分 |
| 記録業務 | 30分 |
| 移動介助 | 20分 |
| 申し送り | 15分 |
このように業務を可視化することで、改善ポイントを見つけることができます。
生産性向上の実績報告
加算を算定する場合、毎年度の実績報告が必要になります。
出典:厚生労働省ホームページより引用・編集
生産性向上推進体制加算を算定する場合、毎年度の実績報告が必要です。
提出する主な書類
- 生産性向上推進体制加算 実績報告書
- 各種調査票
- 成果確認資料
実績報告は、取り組みの進捗や効果を確認するために行われます。
》》》次のコラム 【介護事業所は必見】生産性向上推進体制加算の実績報告|報告は3月末まで(後篇)
出典・参考情報源
厚生労働省「介護サービス事業者の皆様へのお知らせ」
厚生労働省「生産性向上推進体制加算について」
厚生労働省「介護分野における生産性向上ポータルサイト」
厚生労働省「電子申請・届出システム(生産性向上推進体制加算実績報告システム)」
(別紙1)生産性向上推進体制加算に関する取組の実績報告書(毎年度報告)
(別紙2)生産性向上推進体制加算(Ⅰ)の算定に関する取組の成果
(別添1)利用者向け調査票
(別添2)施設向け調査票 (労働時間等調査票)
(別添3)職員向け調査票
(別添4)職員向けタイムスタディ調査票
